脳画像における皮質脊髄路の見つけ方!運動麻痺を理解する5つの見るべきポイントとは?

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脳画像における皮質脊髄路の見つけ方!運動麻痺を理解する5つの見るべきポイントとは?

こんにちはリハビリアイデア(@rehaidea)です。

脳画像をみる重要性の中に、患者さんの身体機能を評価し、予後予測をたてることがあげられると思います。

その中でも患者さんのADLに最も関わってくる部分で、かつセラピストが脳卒中患者さんと向き合っていく中で頻度の高い問題ってまさしくこれではないだろうか?

そうです、その正体は運動麻痺です。

運動麻痺に対しては私自身もそうですか、いつも頭を悩ましながら、どうすれば麻痺が改善し、ADL動作の中に汎化していくのかを考えています。

そして、患者さんの自立度をあげるために、どうすれば運動麻痺を改善できるのかを、常に考えながら臨床に取り組んでいます。

その運動麻痺が今後どのように変化していくのかは、まずは常日頃から患者さんの臨床所見を正確的にかつ明確な問題点としてそれをみつけられるかが大事になってきます。

その大前提として、脳画像から運動麻痺の予後治療プランを考えていくことができることで、治療方法や考え方、アプローチの仕方まで変わっていくのではないかと思っています。

今回はその運動麻痺に関わる部位を脳画像からみていきたいと思います。

リハアイデア

今日からこれで、皆さんも運動麻痺を脳画像から読めるようになることを目標としていきたいと思います。

運動麻痺とは

カスミ

脳画像ってまずは何をみればいいんですか?
脳画像をみる前に、まずは運動麻痺についておさらいしておこう!

リハアイデア

まずは脳画像を通して脳卒中における運動麻痺を理解する上で大事な、「運動出現のためのメカニズム」を簡単に整理していきましょう。

そもそも運動麻痺とは何なのかという点になります。

運動麻痺とは

運動麻痺を随意運動障害と考えると、随意運動の経路である皮質脊髄路、すなわち錐体路を理解するとメカニズムの説明ができる。Wikipediaより

と説明されています。

つまり、運動麻痺とは自分の意志で、随意的に四肢や体幹を動かせるかどうかということで、ここに障害を受けることで、自分で動かせなくなったことを運動麻痺と呼ぶとということが理解できます。

そしてそのメカニズムは

大脳中心前回(一次運動野)に存在する神経細胞が興奮することで随意運動ははじまると考えられている。1次ニューロンの軸索は放線冠内包後脚、中脳の大脳脚を通過する。延髄下部に存在する錐体交叉にて左右の線維が交叉し、脊髄にて2次ニューロンにシナプスチャンジし、脊髄内の前角細胞を興奮させる。Wikipediaより

となります。これを簡単に模式図的に表すとこういうことになります。

つまり、運動出力のための情報の出発源として一次運動野(スイッチ)が存在し、その情報を脊髄に伝えていく、皮質脊髄路(配線)があります。

運動麻痺の種類や評価は?メカニズムから紐解くリハビリ的視点!

2017.09.16

そして脳卒中(脳出血や脳梗塞)により、この経路のいずれかに障害が及んでしまえば運動麻痺が出現するということになります。

カスミ

じゃあ、画像ではこのスイッチの部分と、配線の部分を画像から見つければ良いんですね?
そうそう!簡単でしょ。

リハアイデア

運動麻痺を評価する際には、まずは脳画像からこの一次運動野の位置と皮質脊髄路の走行をみつけていきながら、その損傷度合いを知ることが重要になってきます。

それでは、実際に脳画像からこの一次運動野と皮質脊髄路を探していきましょう。

脳画像から一次運動野を探す

カスミ

一次運動野の探し方は中心溝からでしたね!!

一次運動野の場所

一次運動野においては、まずは中心溝の同定を行いながら、その場所をみつけてください。

中心溝の同定はこちら!

脳画像から一次運動野を探す!!誰でもわかる中心溝の簡単な見つけ方とは?

2017.08.03

中心溝をみつけるポイントとしては、帯状溝からみつける場合と上前頭溝・中心前溝からみつける場合の2つの見方があります。

それによって中心溝をみつけるのですが、中心溝はある特殊な形をしているため、脳画像が見慣れてくると容易に探し出すことができます。

中心溝の特徴としては逆Ω字(ひらがなのひの字)を呈するのが特徴になります。

そしてその中心溝の前の脳回という領域が、運動出力に重要な一次運動野にあたる部分になります。

一次運動野の機能

この一次運動野には体部位局在と言われる、脳の場所において、どこが何を支配しているといったある程度の領域が決められています。

カスミ

たいぶい…きょくざい…ってなんですか?
ホムンクルスって聞いたことない?あの手と顔がでっかい異質な人間みたいなやつ。

リハアイデア

カスミ

あ~、なんかちょっと怖いやつですよね。学生のころにみた記憶がありました。
実は歩ムンクするについて理解するには、あれが大事なんだよ!

リハアイデア

一次運動野の機能・ホムンクルスについてはこちら!

一次運動野の機能について!!運動麻痺に関わるホムンクルスという体部位局在とは?

2017.06.21

そして、位置関係としては脳を半分に分ける大脳縦列(内側)から下肢→体幹→上肢・手指→顔面といった運動領域が存在します。

なお、元々下肢の領域は左右の脳の入り組んだ場所に存在するため、脳画像においては一番上の頭頂レベルのスライスではその領域が下肢末梢まで届いていないことがあるので注意してください。

ホムンクルスの特徴として、何より手の領域がかなり大きなウエイトを占めるのですが、これは人が特に手の巧緻性を獲得し、運動を司る部分においても、その領域が特別発達した結果だと言われています。

カスミ

だから、あの気味の悪いホムンクルスって手があれだけ大きいんですね!

そしてこの中心溝のもっともくぼんでいる部分にその手の領域がくるような配列をしています。

運動麻痺の特徴としてはこの一次運動野の領域が障害を受けると、そもそもの運動出力の出発地点からの情報が皮質脊髄路へも伝わらないので、臨床的には弛緩性麻痺を呈するケースが多い印象です。


カスミ

電気を押すスイッチが押せないってことですね。

そしてこの一次運動野が身体各部位をどのように動かすかの指令を出しているため、仮に肩や肘の体部位局在の障害が少なく、手指の体部位局在である一次運動野が強い障害をうけると、運動としては随意的に手指を動かす際に肩・肘といった部分に力が入ってしまい、手指だけを自由に動かせない分離運動の障害として症状が現れる場合があります。

運動麻痺を見分けるポイントとして、まずは出発地点の一次運動野をしっかりみれるようになりましょう!

リハアイデア

脳画像から皮質脊髄路を探す

では、次に実際の皮質脊髄路の走行を見ていきたいと思います。

皮質脊髄路は先ほどの一次運動野からの運動指令の情報を脊髄まで降ろすための経路になります。

部位を探す特徴としては放線冠内包後脚大脳脚をみつけながら、その走行場所の同定をしていきたいと思います。

放線冠(側脳室体部レベル)

放線冠をみつける脳のスライスでいうと側脳室がハの字にみえる、ハの字レベル(側脳室体部レベル)のスライスになります。

放線冠は、その後内包に収束するために神経線維が束となって集まってくるのが特徴的です。

一次運動野のように広がっている運動神経の線維がある一点に集約していくようなイメージになります。

一次運動野からでた神経線維が一点にあつまるようなイメージを持っててね!

リハアイデア

なので、この部位の脳梗塞(放線冠に血管栄養をするレンズ核線条体動脈の梗塞によるラクナ梗塞)では、運動麻痺を直に呈しやすい症例が多いのが特徴です。

そして、このレンズ核線条体動脈は血管自体が穿通枝で細く、ラクナ梗塞の好発部位になっています。

あとは被殻出血なんかで、血腫が上方へ広がった際には、この放線冠にダメージを与えるケースが多いです。

では一次運動野からどのようにこの放線冠に神経が通っていくのかという点ですが、一次運動野で配列していた下肢→体幹→上肢→顔面の領域が捻じれて走行するのが特徴です。

この捻じれによって、配列が前方から頭(赤)→上肢(緑)→体幹(黄色)→下肢(水色)といった配列になります。

この放線冠の領域ですが、病巣局在の同定においてはSong YMの方法Stroke.2007)に準じ、ある程度明確に分けることができます。


引用元:Young-Mok Song:Somatotopic Organization of Motor Fibers in the Corona Radiata in Monoparetic Patients With Small Subcortical Infarct

この図から何か読み解ける?

リハアイデア

カスミ

●と▽がLateralityの数値が高くて、■が数値が低いから…
顔面と手が内側で、足が外側ってことですか?
その通り!!放線冠という小さな領域の中でも顔面・上肢はより内側に、下肢の領域が外側にくることになるね。

リハアイデア

ここで臨床的に最も大事になってくるのが、どの体部位局在の運動神経(上肢や下肢の運動神経が)がどういった位置関係で配列しているかということになります。

実際は臨床症状をみていけば、上肢に強い運動麻痺なのか、下肢に強い運動麻痺なのかは、評価することで容易に見分けることができます。

しかし、梗塞巣による浮腫などの影響により「機能的な予後」を見たときにどこまで機能が回復していくのかなどは、脳画像がそれを見分ける大きな役割を担うので、臨床症状での所見と合わせて脳画像から病態を把握することも大事になってきます。

放線冠の特徴!
  1. 顔面が前方で上肢、体幹、下肢の順番になる
  2. 放線冠の中でもより内側に顔面・上肢が、外側に下肢の領域がくる
  3. ラクナ梗塞の影響を受けやすい

そしてこの放線冠を抜けると次に運動神経が入っていくのが内包後脚になります。

内包後脚

ここでは松果体レベルの脳画像をみる必要があります。

この部位では視床や被殻などの出血原因の多い脳のスライスレベルとなるため、画像としてもセラピストが最もみる脳画像になるのではないでしょうか。

そして皮質脊髄路の通り道としては内包後脚を走行していきます。

内包後脚の見つけ方についてはまた別の機会にまとめていきたいと思っています。

内包とは簡単に示すと基底核と視床との間で作られるいわば神経の通り道になります。

そしてこの内包には様々な神経線維が通っていきます。

その中での、運動を司る皮質脊髄路は内包の「後脚」と言われる部位を通過していきます。

内包後脚だけを取り出すと以下の図のようになりますが、その中でも皮質脊髄路が通るのは上1/3程度の位置になります。

カスミ

へ~、内包後脚の全部を皮質脊髄路が走っているって勘違いしていました。
僕も脳画像をあまりみる前までは内包後脚にとおる皮質脊髄路は内包後脚全体を走行しているといったイメージをもってたけど、実際は全然違っていたので、びっくりした記憶があるな。

リハアイデア

本当イメージって怖いですよね。何事も正確な知識を知ることが大事です。

体部位局在の配列としては放線冠同様、上から顔面→上肢→体幹→下肢の配列になります。

臨床的にはこの部位の障害による運動麻痺は放線冠に比べ重傷化しやすいような印象です。

一概にそうとは言えないが、あくまでも個人的な臨床的な解釈だけど。

リハアイデア

その理由と考えられるのは、放線冠はその部位単独の運動麻痺として症状が出現しやすいのが特徴ですが、内包後脚に至っては、隣接する皮質網様体路の経路の障害や、内包近くにある視床や被殻といった運動出力の前段階で関わる領域の影響も大きく受けてしまいます。

そのため、純粋な運動麻痺だけの障害ではないので、この部位の障害はより細かな評価や治療戦略が必要になってきます。

内包後脚の特徴!
  1. 内包後脚の前方1/3の領域に皮質脊髄路が走行する
  2. 体部位局在の配列は前方から顔面、上肢、体幹、下肢の順になる
  3. 内包周囲には様々な神経線維が隣接するため、運動麻痺以外の問題も呈する場合がある
内包後脚を通過すれば、脊髄までのゴールもあと少し。

リハアイデア

大脳脚

先ほどの放線冠内包後脚では、運動神経の線維がある程度密に集約され、その部位を通過していましたが、次に向かう大脳脚でも同様にその神経線維は集約され下降していきます。

皮質脊髄路が通る大脳脚という部位なのですが、これは大脳脚といっておきながら中脳に存在します。

カスミ

わかりやすく中脳脚にしてくれれば良かったのに・・・

脳画像から中脳を見つけるポイントとしては、下記のスライスの真ん中ぐらいにある某有名キャラクターの〇ッキーマウスの形を探してみて下さい。

そして、その〇ッキーがみつかれば、ちょうど耳にあたる部分が皮質脊髄路の通り道となります。

場所的にはちょうど耳の真ん中の領域に皮質脊髄路が走行し、体部位局在の配列は内側から顔面→上肢→体幹→下肢の配列となります。

この部位は先ほどの内包後脚がみえるレベルの下のスライスレベルとなり、視床や被殻出血において、その出血量の多さから脳室内を介して(脳室穿破したケースにおいて)、出血範囲がこの大脳脚にまで及ぶことがあります。

その際は損傷程度が大きくなり、運動麻痺の予後にも大きく影響するため注意が必要になります。

橋レベル

そして次に脳幹(橋)と言われる部分に神経線維をおろし、最後は延髄で交叉をして、右脳の運動神経は左手へ、左脳の運動神経は右手へ支配していきます。

このレベルでの運動神経の特徴としては先ほどの放線冠や内包後脚、大脳脚に比べ、神経線維が束になることは少なく、ある程度拡散して下降していく特徴があります。

そのため、この部位の障害では運動麻痺自体のケースとしては比較的予後が良い印象を受けます。

カスミ

そういえば、この前担当した橋出血の方も、そこまで麻痺が強く出てるわけではなかったです。

ただ損傷の程度によっては重度な運動麻痺を伴いますし、特に大事なのが脳幹と言われる覚醒や呼吸中枢としての影響を受けやすい部分になるので、その障害が運動麻痺なのか、自発性の影響なのかは評価が必要になってきます。

だから、画像と評価の両方がしっかりできると運動麻痺をもっと深く読み解くことができそうだね!

リハアイデア

皮質脊髄路のまとめ

脳画像における運動麻痺の同定で大事なこと!
  1. 運動の出発地点である一次運動野を探す
  2. 一次運動野から神経線維が集約する放線冠を探す大胆で使いやすいWordPressテーマです。
  3. 視床と被殻で形成される内包後脚をみつける
  4. 中脳では前方に皮質脊髄路の神経線維が下降する
  5. 橋では皮質脊髄路はバラバラになって神経が下りていく

運動麻痺を判断する上で大事なことは、一次運動野皮質脊髄路が通る部分をしっかり画像から把握することです。

そして、脳卒中による脳への損傷が、どこに大きく影響しているかを理解する必要があります。

カスミ

今回で、かなり明確に脳画像がみれるようになりました。
あとは、この知識を使って、とにかく患者さんの脳画像をみることが大事になるよ!!

リハアイデア

カスミ

はい!さっそく担当患者さんの画像をみてみます。

運動麻痺と一くくりにしても、患者さんの状態は多岐に渡ります。

そして、セラピストとして最も気になるのが、その運動麻痺がどこまで良くなるのかという問題です。

その問題に立ち向かうためにも、脳画像が全てではありませんが、一症例一症例の状態を把握していくことが、実は運動麻痺の治療においては一番重要なことではないかと思っています。

その上で、臨床所見と合わせて運動麻痺に対する機能的な要素をみながら介入することが、セラピストとしての経験となり、運動麻痺を診れるセラピストになる近道になるのではないでしょうか?

それぞれの特性を理解しながら、臨床の中で脳画像を使える知識にしていきましょう!!

それでは、また!!

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