セラピストにとって脳画像をみる目的は様々あれど、最もここをみる機会が多いのではないかと言えるほど重要なのが内包という部分です。
内包には運動麻痺に関わる皮質脊髄路や筋緊張に関する皮質網様体路、前頭葉との繋がりを持つ前頭橋路など、様々な神経線維の通り道としても非常に重要な部位になります。
では、この内包を脳画像からどのようにみつけていけば良いのでしょうか?
そして、この内包には一体どういった神経線維がとっているのでしょうか?
今回は、臨床上とても重要な脳画像における内包の同定の仕方とそこを通過する神経線維についてまとめていきたいと思います。
これを読めば【内包が必ずみつけられるようになる】ということを目標にしたいと思います。
- 内包の位置関係が理解できる
- 内包を脳画像から探すことができる
- 内包の血管支配領域が理解できる
- 内包を通る神経線維がわかる
それではスタート!
内包とは?
内包とは、外側のレンズ核と内側の尾状核・視床の間にある神経線維の通り道で、大脳皮質の様々領域からの神経線維が下位にある大脳脚(中脳にある)に繋がる中継点になります。
脳画像を水平面上からみた際にはV字形(くの字ともいえる)を呈し、大きく3つの領域に分けられます。
- 内包前脚:尾状核頭とレンズ核の間
- 内包膝部:前脚と後脚の屈曲部
- 内包後脚:視床とレンズ核の間
そして、この3つの領域にはそれぞれ通過する神経線維が異なり、これらをまずは把握することが重要になります。
- 前脚:前視床放線・前頭橋路
- 膝部:皮質網様体路・皮質核路
- 後脚:皮質脊髄路・皮質赤核路・視床皮質路・頭頂/側頭/後頭橋路・視放線・聴放線
こんなに沢山神経線維が通るんですね?
つまり内包の障害は様々な神経症状の要因になり得るということがわかるね!
では、実際に脳画像から内包をどのように同定していくのか、そしてこの内包にはどのように神経線維が走っているかをまとめていきたいと思います。
脳画像から内包を同定する方法
内包を脳画像から探していく際には、まずは脳画像のスライスの中でもどのスライスレベルをみるかを理解する必要があります。
内包がみえる脳画像スライスは松果体レベル(モンロー孔レベル)になります。