なぜ保育士は給料が低いのか?
それは誰でもできる仕事だからです。
これは、保育士の低賃金問題に対してホリエモンこと堀江貴文がtwitter上でつぶやいた発言です。
誰でもできる仕事だからです
「なんで保育士の給料は低いと思う?」低賃金で負の循環 (朝日新聞デジタル) – https://t.co/EuidhabdJ1— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2017年10月12日
ホリエモンといえば、独自の思考で世間をぶった斬る、いわゆる炎上発言が最近ではよく目立ちますが、今回の発言はある意味確信をついた内容ではないかと個人的には感じています。
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そして、案の定この発言に対しては、色んな所からの色んな方々の賛否両論の声があがっていました。
ただ、今回は保育士問題に対する提言ではありますが、私個人は見方を変えれば、セラピスト業界に関しても同じようなことが言えるのではないかと思ったわけです。
そして、このホリエモンの発言にはもっと奥が深い、我々自身にとっても今後真剣に考えていかないといけない内容ではないかと思いましたので、私見も踏まえてまとめてみたいと思います。
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目次
保育士の低賃金問題に関して
保育士の低賃金問題は様々なニュースなどでも取り上げられていることだと思います。
実際に平成27年の厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均年収は35歳で323万円ほどとなっています。
参考 平成27年賃金構造基本統計調査厚生労働省リハアイデア
また、すべての年代においても300万円~400万円台となっているため、年収の上昇はあまり見込めないようです。
確かにこれでは子供がいる世帯では中々厳しいものがありますよね。
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私も子どもがいる身なので、保育士さんの仕事の大変さは十二分に承知ではあります。
実際に我が子二人をみるだけでも、私だけでは30分ともたないのに、何十人という子供を長時間(また素直にいうことを聞いてくれないのが園児です)、少ない人数でみるってなると、かなりの仕事量だと思います。
また、親からのクレームや要望なんかも沢山あるだろうし、何か問題が起こればその後処理にも時間を取られます。
そういう意味では、今回のホリエモンの発言に関して、言葉自体をそのまま受け取ると当事者(保育士の方々)は怒るのも無理はないのかなって思います(ただし、これは言葉の受け取り方にもよると思うので、保育士さんの中では納得する方もいるんじゃないかな)。
そして、我々の医療業界におけるセラピストの間でも、「給料が低い」、「将来が不安」などなど、お金に関する色々なことがネットやリアルな場で最近本当に耳にすることが多くあります。
実際にセラピストの平均年収も、平成27年の厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、平均年収は31.5歳で405万円ですからね・・・。
参考 平成27年賃金構造基本統計調査厚生労働省年齢別にみても、多少年数を重ねるごとに上がることはありますが、600万円ほどで上昇が止まっています。
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じゃあ、それを解決するには「安い、安い」と訴え続ければ良いものだろうか?
そんなので給料が上がれば誰もが声を大にして言うだろうし、とっくに給料は上がっているはずですよね。
それが起きてないこと自体に対して、我々給料が低い「低賃金労働者」が考えるべき重要なことではないだろうか?
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なので、世間一般の人と立場は一緒です。
むしろ、皆様の仲間です。
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でも、それではいつまでたっても給料は変わらないのです。
だから、まずは物の見方、考え方を少し変えることをするのも良いのではないでしょうか?
ホリエモンが発言した「誰でもできる」その言葉の裏には?
実はホリエモンの発言にはまだ続きがあります。
色んな方の反論や意見に対する返答の中に、この問題に対する本質的な部分の捉え方の違いが見え隠れしてきました。
その中で、ホリエモンは冒頭の言葉の解釈として、こうもおっしゃっていました。
あなたの変換間違ってるね。誰でも(やろうとしたら大抵の人は)出来る(大変かもしれない)仕事だから希少性が低く(コンビニバイトなどと同様に)給料が上がらない構造になっている、がより丁寧な言い方だね https://t.co/b0GEy10SU8
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2017年10月14日
つまり保育業務として、子どもをみることが大変かどうかを言っているわけではなく、給料が低いことに対しての意見であるということです。
もう一度いいますが、何故こんな大変なのに給料があがらないのかは、大変さが判断基準ではなく希少性がないということ自体が給料が上がらない一番の原因なのです。
保育士という仕事自体が、世間的にはある程度勉強して、資格さえあれば誰でもできる、つまり替えもいくらでも利くし、そこに専門性の髙さが伴っていないと言っているのではないかと私自身は解釈しています(これって我々リハビリの療法士業界と全く同じようなことではないかと勝手に思ったりしています)。
そりゃ、他の仕事に比べると、保育という面での専門性は非常に高いとは思いますが、じゃあその中であなたにみてもらうとどんなメリットがあるの?
あなたの園では、どんな子が育つの(例えば有名私立小学校へのお受験合格率とか)ってことに対しては、毎日の大変な仕事をこなしているという表に現れていないものばかりが大々的に言われて、その仕事自体には社会の中でなんの付加価値もついていないよ、ということなのです。
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ただ、こういう風にいうと、そんな忙しい中「+αの価値」なんかつけられるかってことになるのですが、そんなことを言っていたら、いつまでたっても給料が低いって現状を変えることができません(そもそもの論点が給料を上げることにベースを置くならという前提ですが)。
現に色々調べると、同じ保育士でも、高収入の方もいるわけで、そういった方々は実にうまく資格を活用しているかがみて感じとれます。
参考 保育士の新しい働き方キッズライン実際にホリエモンはこんなこともつぶやいていました。
保育士で高給取りたいなら真似されにくいサービスを展開するなりCtoCのサービスとかに登録したりするしかないよ
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2017年10月17日
つまり、その人にしかできない何かを大々的にやっていくか(例えば、子ども達を集めて体操教室を開くとか、セラピストなら本業とは別で講師業をするとか)、CtoC(Customer to Customer)として対象者と対象者間で自分はこんなことができるから、定期的にお金をもらって相手から来てください(個人で動いている家庭教師のような感じでしょう、セラピストでいうところの自費のリハビリ活動など)って言われるような何かを始めるのが良いのでは?と言っているんだと思います。
こういった発想は、病院の中だけにいる世間一般をあまり知らないセラピストも、是非覚えておいた方が良さそうですね。
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どういった人なら給料があがるのでしょうか?
- 英語の話せる保育士
- 運動指導ができる資格を有する保育士
- 他にない特別な育児スキルを学んだ保育士(最近では流行りのモンテッソーリ教育など)
では、セラピストでは
- 他職種や他病院、地域を巻き込める営業力を持つセラピスト
- 脳卒中や運動器、呼吸などの専門分野に特化したセラピスト
- 英語文献がスラスラ読めるなどの英語が使えるセラピスト
たぶんあげたらきりがないくらい出てきそうで、そういった何かと何かを掛け合わせて希少性をもった人になることで、本来の仕事+αの価値が生まれるということなのです。
つまり給料をもっと高くと思うのであれば、それなりの付加価値(+α)をつける必要があるということなのです。
そのために、保育士だから、理学療法士だから・・・といった資格やプロ意識が大事なのではなく、それをどうやりくりしていきながら、他にないものを提供できるかがとても重要なことなんだと思います。
給料上げるのに大事なのはプロ意識じゃなくて、業務の効率化。
単なる利権だよ。資格は。調理師免許なんかその典型。
これを打破するために、出来ることへの最善を尽くすこと。
そのことをホリエモンは教えたかったのではないでしょうか?
よくホリエモンが言っている「資格不要論」という考えのように資格を取ることが大前提となり、そしてそれさえあれば将来はもう大丈夫というような甘い考えから、
これからは、それをどう活かし、自分が何をしていくかを考えることこそが、専門家の専門家たる所以なのではないでしょうか?
セラピストよ!既存の考えや習慣などはぶち壊せ!
と言っても、いきなり自分だけのものや付加価値なんかは見つからないものです。
じゃあ、それがみつかるまで待つのかっていうと、それでは時間がもったいなさすぎます。
そういった方々は、まずは自分の職場内での身近なところから自分のできること、自分にしかできないことを探してみてはいかがでしょうか?
その一例がこちらになります。
当たり前のこれまでをなんら改善しようとしないからダメなんだよ。例えば壁の装飾とか本当に必要?とかね。IT化も遅れてるしな。
つまり、大変だ大変だと言うばっかりで、それを変えようとしないことがまずいってことなんです。
必要なことと、必要ないこと。
これをしっかり判断しながら、どうすれば業務が円滑に行えられるのか、気づいたあなたがそれをもっと考える必要があるということなのです。
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最近耳にする事なんかでは、とある病院では、業務が終わらないセラピストが多く残業が減らないから、業務後の勉強会を禁止するなんてことがあったようです。
これ、完全に下のスタッフから言われたただの対処法ですよね。
これってなんかおかしくないって私自身は思う話で、セラピストとしての知識や技術を高めることって当たり前なことだと思うんですよ。
それよりどうすれば業務が時間内に終わるかを考え、そのためにリハビリテーション科全体で考えていくことがまず大事なんじゃないのって、個人的には思うわけなんですよね。
そして、空いた時間に自分たちのやりたいこと、学びたいことを一生懸命するといったことの方が、よっぽど効率が良いし、人生楽しいと思うんですよね。
そうなれば、セラピストという仕事が大変で面白くないなんていうセラピストも少なからず減るのではないかと思っています。
付加価値をみつけるためのポイント
資格はいらない、誰でもできるといったことを考えた時に、どうすれば、専門家として、自分自身に付加価値を付ければ良いのだろうか?
それこそ、どうすれば高給取りになれるのだろうか?
そう考えた時に実はその答えは簡単で、人にはできないことをすれば良いだけなのです。
そんなこというと、自分だけのものなんてできっこないでしょなんて声が聞こえてきそうですが、何も一番になる必要性はないのです。
これは、ホリエモンの書いた「多動力」という本にも載っているのですが、複数の肩書を掛け算し、レアな存在になろうということです。
そして、その肩書は多ければ多いほど(理想は3つ以上の)またそれぞれの分野に関係性が少ないほど役立つと言われています。
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とりあえず、自分ができることを探してみる。
そしたら、結果それが他の人ではできないようなことがあるはずなので。
わからなかったら、職場の同僚や仲の良い先輩・後輩に自分の長所って何って聞いてみてください。
自分が思っている以上に、良い答えが返ってきますから!!
つまり私の場合でいうと、
- 脳画像をみることや脳を勉強することが得意(好き)
- パソコン関係にはある程度強い(ブログやホームページを作れる程度)
- デザインに関してはこだわりが強く、ある程度その能力も高い(これは完全に自分で自分を持ち上げていますが)
この3つを掛け合わせると、選択肢として、こういったweb上で脳画像や脳の知識に関することをアウトプットできるような「ブログ」を作ろうといったことになったのです。
これって、誰もができることではないですよね。
それこそ、これがもっと広く行き渡れば、講師としての道が開けたり、本の出版依頼がきたり(そんなことをひそかに夢みています)、自分に対しての付加価値がつけられるわけなのです。
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つまりこれこそが、ホリエモンの伝えたかった真のメッセージではないでしょうか?と私自身は受け止めています。
希少性(レア)を意識したことによってかわった私のキャリアアップ
ここからは実際の私の体験談(転職に伴うキャリアアップの話)です。
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私自身は希少性を上げるため、ずっとこういったことを意識しながら仕事をしていました。
そうすると、転職するたびに実は年収が上がっていったのです。
入職当時から比べると、50~100万円程度は上がっています(それでもまだまだ少ないですが)。
それもそのはず。
転職する際に、「これができる」や「これが得意だ」ということを伝えると、それに見合った職場などを紹介してもらえることがあるからなのです。
相手が求めるものと、こちらが提供できるものがマッチした際は、即採用という運びになりますし、正直あまり転職で困ったことはありません。
そういった自分の付加価値を目に見える形で証明できるものも揃っているとなおさらです。
(例えば、学会発表をしたとか、別の資格(認定療法士など)を持っているなど)
ただ、これってあくまでも自分を売り込む力や能力が得意な人ができるからこそのことなのです。
それが苦手って人も多いと思います。
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そこで、ちょっとした転職に対するコツをお伝えします。
こういった交渉ができ、かつこちらの条件に応じた仕事探しに最適なのがマイナビさんです。
えっ、人材紹介かよって思う方もいると思いますが、自分で色々調べるより圧倒的にその病院の内部情報を知っていますし(情報収集にはかなり力をいれているようなので)、紹介先に就職する・しないに関わらず、自分の想いや強みを出しても、相手は何もそこを突っ込んでくることはありません。
むしろ、そういった条件を出す方が、相手方も喜んでくれるので。
そして、こういった方々は相手先との交渉もすごく丁寧で、上手です。
一度私も立会いの下、相手先の方と話をしたのですが、とんとん拍子で話が進んでいきました。
なので、そういったキャリアップをお考えの方は是非マイナビを検討してみてはいかがでしょうか?
登録自体は無料なので!!
まとめ
- 誰でもできるは希少性のなさに対する言葉
- 給料をあげるためには、自分だけのオリジナルを少なくとも3つみつけて掛け合わせる
- 既存の考えや、習慣はある意味無視して考えてみる
セラピストでもできることや、やれることは沢山あります。
そのためにも一歩を踏み出す勇気と、何かをみつけるための努力は日ごろから心がけたいものですね(自戒もこめて)。
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